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2020.11.02 upload

浅井健一 インタビュー

素晴らしい時間に絶対したい。心の中でみんなと融合したいし。音楽のライブはそういうことなんだと思う
――浅井健一

今年はコロナ禍にあって様々な活動が制限されたなか、6月には日記やショートストーリーをまとめた著書『神様はいつも両方を作る』を出版し、9月には浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのシングル「TOO BLUE」、主宰レーベルSexy Stones Recordsから10年ぶりとなるSHALLOW WELL名義のインスト・アルバム『SPINNING MARGARET』をリリースするなど変わらぬ創作意欲でファンを喜ばせてくれた浅井健一。そして12月に開催する東名阪ツアーには、さらに12月29日(火)東京追加公演の開催が先日決定した。このツアー、当初はKILLSの公演予定だったが中尾憲太郎(ba)の脱退を受け、急きょSHERBETS featuring SHALLOW WELL 「SPINNING CHRISTMAS TOUR」として行われることに。グルーヴが深まり続けていたKILLSのライブを見られないのは残念だが、本公演ではSHERBETSのナンバーはもちろん、インスト・アルバムに参加した小林瞳とともにSHALLOW WELLの世界を表現するステージも堪能できるとのこと。『SPINNING MARGARET』は優しく躍動感あふれるサウンドが、曲ごとに様々なストーリーを浮かべる心地いい1枚。ツアーでは、どんなストーリーを響かせてくれるか楽しみにしたい。今回は、今年2月以来となるライブを控えたところで改めて浅井健一にメールインタビューで近況を訊かせてもらった。

●取材・文=秋元美乃

―― 前回のメールインタビューから早4ヵ月が経ちましたが、最近はどんな日々をお過ごしですか?

浅井健一 ライブの選曲含めリハーサルが始まりました。後はグッズのデザインをしたり。実家に親の様子を見に行ったり、してました。

―― 浅井さんにとっての新しい日常は何かありますか?

浅井 あるね、こういう場で言うことではないし、日常でもないけど。ささやかな新しいことが。

―― 今年はSexy Stones Records20周年という年でもありました。記念ツアーは中止となってしまいましたが、20年のなかで印象深い出来事があれば教えてください。

浅井 いっぱいありますね。SHERBETSでニュージーランドのマウントクックで撮影した時とか。周りの湖の色があまりにも美しい青緑で、氷河が溶けた水は青緑になるんだって。今考えたらあんなとこに行けるのは滅多にないので、自分で写真とかもっと撮ればよかったのに、どっかいっちゃったな。JUDEやAJICO、もちろんソロでもSHERBETSでも何度も合宿レコーディングした河口湖スタジオとか、ほんとに沢山の大好きな曲たちが生まれた場所なんだけど。もうずいぶん前に閉鎖されたという噂は聞いていたんだけど。6年ぐらい前かな、どうなってるんだろうと思って行ってみたんだよね、立ち入り禁止の赤外線を避けて中に入っていくと、あんりまー。あのでっかいコンクリートの建物が跡形もなくなくなっているではあーりませんか、草原になっていました。きれいさっぱり。なんか感慨深いというか、寂しかったですね。気持ちのいい風が吹いていました。さらさらと。話出したらキリがないので今日はこのぐらいにしとくわ。

―― Sexy Stones Recordsの3大トピックをあげるなら?

浅井 そうやって聞かれると、何にも出てきませんね。でも頑張って思い出すよ。

1)近所にカフェのような気の利いたバーができた。
2)そこで気まぐれでというか、楽しそうだったのでカレーを売ってみた。
3)そしたら俺がミュージシャンをやめてカレー屋になったという噂が一人歩きして北海道でも九州でもどこにキャンペーンで行っても、まず初めに「カレー屋になったんですか?」っていまだに聞かれるんですけど、どうにかならんかな。

―― このコロナ禍で活動の制限を受けざるを得ませんでしたが、自分にとっての音楽や、ご自身の音楽活動について、改めて感じることなどはありましたか?(また、創作活動への影響や、ライブができないことで思うことなど)

浅井 ミュージシャンとかみんなこの先音楽をやり続けられるのか、不安だと思いますね。でもみんなそうだよね、飲食店もそうだし。ジムとか航空会社もあらゆる職種がね。冷静に知恵を出し合って、正しいやり方を見つけ出すしかないと思う。現代社会になって、初めて直面するウィルスパンデミックなので、正しいやり方なんて誰も知りません。いい方法だと思っても失敗はつきものだと思います。野党もメディアもいちいち失敗した人を貶めることはやめて、みんなで乗り越えようと思うべきだと思っています。

―― Sexy Stones Recordsからは、約10年ぶりにSHALLOW WELL名義のインストゥルメンタル・アルバム『SPINNING MARGARET』がリリースされました。このアルバムが生まれた背景を聞かせてください。

浅井 なんとなく、優しい音楽というか、あったかくなるような音が作りたかったのかな? そこにひとみん(小林瞳)がギター弾けるんだってことが判明した時期でもあって。ライブもできないしじっくり作ってみようと思ったんだと思う。

―― 先の見えない日々の中で生まれてきた音が、こんなに躍動感ある素敵な音で嬉しくなりました。

浅井 ありがとう!

―― 浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSではドラムを担当している小林瞳さんが、今作ではギターやキーボード、1曲はボーカルでも活躍されています。このアイデアはいつ頃からあったんでしょうか?

浅井 今年の2月ぐらい。もっと前から歌った方がいいって、言ってはいたんだけどね。本人はあんまり乗り気じゃなくて。

―― 今年は予想外の一年でしたが、著書『神様はいつも両方を作る』、KILLSのシングル「TOO BLUE」、SHALLOW WELLのインスト・アルバムと、振り返るとたくさんの作品が完成しましたね。

浅井 そうだね。

―― 先日は浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSから中尾憲太郎さん(ba)が脱退されたと聞き、驚きましたが……。

浅井 自分の思いやりが足らなかったところがあって、憲太郎はすっごくバンドに対して真っ直ぐで、俺ももちろん真っ直ぐなんだけど。考え方が違うところが今回初めて分かったんだけど。まあ、だから考え方の違いですね。憲太郎の気持ちを想像できていなかった俺がいかんかったんだと思ってる。憲太郎を傷つけてしまったのは後悔してる。謝ったけど、ダメだった。

―― 12月に予定されているライブは、急遽「SHERBETS featuring SHALLOW WELL」という形になりましたね。

浅井 素晴らしい時間に絶対したい。心の中でみんなと融合したいし。音楽のライブはそういうことなんだと思う。

―― 今年2月以来約10ヵ月ぶり、待望のライブに向けてメッセージをお願いします。

浅井 音楽もそうなんだけど。たまにはたくさんみんなと話せたらなお思い出深い夜になれると思ってるかな。今日のところはね。メンバーにもたくさん気軽に話そうよと言っておくので。よろしく!

―― では最後に。浅井さんが最近、心に描いた「行きたい世界」はどんな世界ですか?

浅井 今のこの世界でいい。


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INFORMATION


SHALLOW WELL 『SPINNING MARGARET』
2020年9月8日(水)SEXY STONES ONLINE STOREリリース
収録曲:1.Spinning Margaret/2.悠然たる鷲/3.小さな橋/4.CECIL/5.Rainbow Water/6.Midnite Drive/7.Runaway Camel/8.汚い川のきらめき/9.Grease Up/10.OK/11.飛行船/12.Spinning Margaret(Hitomi Vo.Ver.)
販売サイト:SEXY STONES RECORDS online store


SHERBETS featuring SHALLOW WELL 「SPINNING CHRISTMAS TOUR」
<出演>浅井健一(vo>)、福士久美子(key&cho)、仲田憲市(ba)、外村公敏(dr)、小林瞳(gt&cho)
12月5日(土)大阪Billboard Live OSAKA
12月6日(日)名古屋THE BOTTOM LINE
12月12日(土)東京Billboard Live TOKYO
【追加公演】
12月29日(火)東京Billboard Live TOKYO

詳細は https://www.sexystones.com/live/ まで。


浅井健一といえばこのギター、と言えるグレッチより“浅井健一シグネチュア・モデル”が11月6日(金)より2種発売。また、同日から御茶ノ水楽器センター2F 特設会場にて「Kenichi Asai Special Exhibition 浅井健一 機材展示会」(無料/完全予約制)が開催されたりとニュースも続々。くわしくは公式サイトにて。
https://www.sexystones.com

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