2020.08.19 upload
突然少年 インタビュー
ライブで歌っているときの感覚とか突然少年のライブに対してイメージしてたものとかライブをやったあとにくる感覚が斗尉のドラムとフィットしたというか「あ、これかも」みたいなのはあった
―― 大武茜一郎
2019年のフジロック後にドラマーが脱退。以降、サポートメンバーの力を借りながらライブを行ってきた突然少年に新ドラマー岩本斗尉が加入。7月より正式メンバーとして活動をはじめた。新生突然少年として第一弾の作品「ボール」を2020年8月5日に配信リリース。9月3日には10インチ・スリーブ特別仕様盤CDをリリースする。特別版には漫画家のハロルド作石が描き下ろしたスリーブにCDをはじめステッカー、ギタースコアなどが封入されている。本来なら新曲「ボール」についてインタビューするところだが、今回はバンド側の意向もあって、新ドラマー岩本斗尉が突然少年に加入するまでの紆余曲折を訊いた。高校の同級生で結成した突然少年に訪れたバンド史上最大の危機を彼らはどうやって乗り越えていったのか。そして岩本斗尉が加入して、これからの突然少年はどうなるのか。メンバー全員に答えてもらった。新ドラマー加入後、初の全員インタビュー!
●撮影=菊池茂夫(2020年7月22日無観客配信ライブファイナルat新代田FEVER)
●取材・文=森内淳
―― 2019年のフジロック後にドラマーが脱退したわけですが、その後は延々とサポートを入れてのライブ活動が始まりました。
戸田源一郎(ba, cho) 9月中旬に辞めたので10月からか。
大武茜一郎(vo,gt) 10月入ってからもライブがあったんで、とりあえずサポートを入れようということで。
戸田 ただ、今まで辞めたドラムとしかやったことがなかったんですよね。遊びでは他のドラムとはやったことがあったんですけど。ずーっと一緒にやってきたのは前のドラムで。なんで、どういうふうに合わせていいのかっていうのがやっぱり年が明けるくらいまではけっこう試行錯誤っていう感じでしたね。しかもライブによってドラマーが変わるんです。絶妙なバランス感みたいなものが毎回変わるから曲をどういうふうに合わせればいいのかっていうのに苦労しましたね。
大武 というか、毎回ちがうドラマーとライブをやるから、サポートとはいえ、どうやったらドラムを含めた4人で新しい音をだせるのかな、どうやったら面白いものができるかなっていう感覚だったんで……
戸田 たしかに楽曲のことなんて考えてなかったね。
大武 考えてなかったですね(笑)。
―― とりあえず目の前のライブをいかにちゃんとやるかというレベルだったんですね。
戸田 それも年明けたくらいには、いろんな人とやるってことに慣れてきて、意外に楽しかったかなあっていう。
大武 レコーディングもあったし。
戸田 そうだね。
大武 3人期のときにミニ・アルバムを出したんで。
―― 振り返ってみると何ヵ月間かのセッション期っていうのもバンドとしては楽しめたわけですね。
戸田 トータルでいったら。
大武 振り返ってみれば。
カニユウヤ(gt) 先輩たちとのレコーディングだったりライブっていうのはそれはかなり楽しかったね。教えてもらったこともあったし。
戸田 当時は必死だったけど、楽しかった。
―― 岩本斗尉さんが加入するんですが……
戸田 斗尉はいつからずっと叩きはじめたんだっけ?
岩本斗尉(dr) 一番最初に会ったのは10月くらいで、3月くらいからはずっと一緒にやってた。
カニ いや、1月から。
戸田 ずっとそうだっけ?
カニ ただヴァレンタインの日にワンマンやったときにはレコーディングに参加した3人の先輩ドラマーとやってたんで、一番区切りがついたのはその後くらいじゃないかな。
大武 2月くらいか。
カニ そこからはずっと固定で斗尉がずっと叩いてたんじゃないかな。
―― 正式メンバーを決めるまでずいぶん時間がかかりましたね。何か理由があるんですか?
カニ とにかく去年の10月から12月までのライブの本数が40本以上あったと思うんですけど、それをどうするかっていうことが8割を占めてた感じだったんで、ここでぱっと決めて、ここから再始動しますっていう状況ではなかったんですよね。
戸田 そう考える余白みたいなものもなかったですよね。ライブがとにかく1週間に3本とかのペースだったんで、とりあえずそれをこなすのが精一杯で。そこでドラムをやってくれる人がいたってことに感謝ですね。それで年末に「どうする?」って話し合う余裕ができて。
大武 1週間を超える地方遠征とかもあったんで。そこでまず付いてきてくれる人を優先に考えないと。すぐスケジュールを開けられるよっていう人がいるのかどうかみたいな。
カニ あのときはホント大変だった(笑)
大武 12月29日には総決算というか、サポートをやってくれたドラマーが集まって「ドラム甲子園」っていうイベントもやったし。
―― だけど「ドラム甲子園」でなんとなく次のドラムを決めようという最終オーディション的な意味合いもあったんですよね?
戸田 どっちかというと、とりあえず手伝ってくれた人たちと何かできないか、みたいな感じでした。なんで、これから誰とやるかなんてそのときは考えてなかったかも。
大武 たしかにそこで誰かを決めようっていうのはなかったね。
―― むしろフェスのような感覚だったんですね。
戸田 そうですね。お祭り感覚というか。
カニ 完全に忘年会のテンションでしたね(笑)。打ち上げとかも。
―― そろそろドラムを固定しないとやばいぞってなってきたのはいつ頃なんですか?
カニ やばいっていう感触はあんまりなかったような気がします。
戸田 なんか自ずと決まるみたいなのがあったよね? やってればこの人ってなるんじゃないか、みたいな。けっこうそれを信じてたところがあって。で、自然と今のドラムが決まっていった感じかな。
―― じゃ特別なオーディションとかはなく自然と岩本さんになったという感じなんですか?
戸田 そうですね。一応ドラマー募集は去年の9月とかに出して、傍から見たらオーディションみたいに捉えられていると思うんですけど、意外と中身はそうではなくて。もちろん連絡をくれた人とはスタジオに入ったりとかライブをやったりとかっていうのはあったんですけど、ほんとにセッションする感覚というか。
―― 岩本さんにメンバーとしてやってもらおうと思った決め手はなんだったんですか?
戸田 なんか一緒にいるときの感覚?
大武 突然少年は高校の同級生が組んだってところからはじまってるんで、ドラムが上手いとか曲がつくりやすいとか、そういうことじゃなくて、バンドメンバーは一緒に365日ほぼ過ごすんで、一緒に過ごせる人っていうか、そこが一番大事だったかな。
―― 逆に岩本さんはどういうアプローチをしたんですか?
岩本 最初はツイッターでドラムがぬけましたっていうのが自分のタイムラインに流れてきて。ぼくが前やってたバンドがちょうど解散したんですよ。で、応募してみようって。
―― 突然少年は気になるバンドだったんですか?
岩本 いや、あんまり知らなかったんです(笑)。なんか必死だったんですよ、ぼくも。その前にやってたバンドがけっこう自分で人を誘って「付いてこいよ」じゃないけど「やろうぜ」みたいな感じだったんで、それが終わっちゃったのが悔しくて。なんか止まってらんないなあみたいな。バンドを探さなきゃっていう、その思いだけで連絡したっていう。
―― だけど応募要項にはわりとハードルが高い課題があって……
大武 一応、応募してくれた人にはぼくらの1枚目のアルバムを聴いて叩けるようにしてくださいっていう。
戸田 やってきてくれる人とやってきてくれない人たちがいて、斗尉は全部やってきた。
―― それをクリアするのもそれなりの覚悟が必要というか、大変だったと思うんですけど。
岩本 めちゃめちゃ焦りましたね(笑)。
戸田 メールしてから最初のセッションまで1週間とか2週間しかなかったんだよね。
岩本 最初の予定とちょっとずれたんですよね。最初に連絡がきたときには1週間ないぐらいの日程で「やばい」と思ってて。寝る時間を減らしてずっと聴きまくって。聴いたことがない曲ばっかりだったんで「わー」と思って。「やんなきゃ」って。
―― それはクリアできたんですか?
岩本 とりあえず大丈夫でしたね。当時、横浜に住んでたんですけど、スタジオの場所まで1時間ちょいくらいかかって。電車のなかでもずーっと聴いてました。
―― セッションは9曲全部やるんですか?
戸田 やりましたね。
―― バンド側も大変ですね。
カニ ドラマーに比べれば全然たいしたことないです。
戸田 一人2時間くらいかな。とりあえず目の前のライブがあるんで、9曲全部覚えてくれた人+スケジュールが開けられる人のなかからライブでやるドラマーを選んで。
―― 岩本さんも何回かライブをやったんですよね。
戸田 まず11月に3本やって。
岩本 東名阪やりました。
―― 東名阪のツアーをやったんですね。それが初めての突然少年だったんですか?
岩本 それが初ですね。そもそもライブを関東以外でやったことがなかったんで、たしか初日が名古屋で。
大武 誕生日じゃなかったっけ?
岩本 あ、そうだ。
大武 カニがチョコレートケーキをつくったんですよ。
カニ そうそう。
戸田 遠征前の最後にスタジオに入ったのが俺の誕生日で、ケーキつくるわっていって。
カニ あの日、寝なかったから。
戸田 帰ってきて、夜、音がするなと思ったら、朝起きたらジャーのなかにケーキができてて。
カニ 寝かせる時間がなかったから……
戸田 皿に移して行くぞ、みたいな(笑)。
―― 実際、ライブをやってみてどうでしたか?
岩本 楽しかったっていうのもあるし、「音でか」って思いましたね。練習のときにも思ったんですけど(笑)。いい悪いじゃなくて「すげえ音がでけえ!」みたいな。
―― 自分としては東名阪のツアーはやりきれたっていう感覚はあったんですか?
岩本 とりあえず3日間終わって「ふー」って感じでしたね。
―― 3人から見た岩本さんの印象はどうでしたか?
カニ 斗尉が前にやってたバンドで、斗尉はボーカルをやってたんですけど。
岩本 ボーカルじゃないけどめちゃめちゃ歌ってた。8割くらいコーラスで。
カニ だからすげえ歌心があるなっていう印象がありましたね。
戸田 元気がある奴だなと思いました。ドラムもフレッシュな感じというか。ぼくらは高校から一緒にやってたから、フレッシュな感覚を意外と忘れてたなっていうことを名古屋でやったときとか、あとリハのときとかに思いました。ドラムの音を聴いて「これ、懐かしい感覚だな」みたいな。
大武 東名阪ツアーの最後に吉祥寺でやったんですけど、そのときライブで歌っているときの感覚とか突然少年のライブに対してイメージしてたものとかライブをやったあとにくる感覚がフィットしたというか「あ、これかも」みたいなのはあった気がします。ライブが終わったあと、酔っ払って斗尉に話した気がするんですけど。
―― 最初の時点で、岩本さんの評価は高かったわけですね。
大武 「開戦前夜」っていう曲があるんですけど、それをたしかいきなりやったのかな。こういうふうに歌を合わせたいんだよねって名古屋の初日で話して、そこからリハで合わせることなく、いきなりぶっつけでやったときの感じが、こういうふうにしたいという話はしたけど、別に言葉をかわさなくても一緒にやれる感じがあって。「ああ、これは久しぶりの感覚だなあ」みたいな。
―― 岩本さん的から見た3人の印象はどうだったんですか? ライブをやるうちに印象が変わっていった点とかありましたか?
岩本 最初は恐いなと思ったんですよ。上半身ハダカでライブをしてたりするのを動画で見て……
大武 募集要項とかに書いてたんですよね……
戸田 拳で話ができる奴募集とか(笑)。
岩本 やってみたら、いきなり手が出てくる感じじゃないっていう(笑)。あと、いろんな音楽を聴いているんだなって思いました。ぼくがけっこうこっちの分野しか聴かないよっていうタイプだったんですけど、みんないろんな音楽を聴くんだなあと思って。いろいろぼくも学ぼうというか、聴こうと思って。影響されましたね、すごく。
―― 岩本さんはそもそもどういうバンドをやっていたんですか?
岩本 普通にボーカルが曲をつくって、その人が軸になっていて、きれいに歌い上げるみたいな。それを我々が支えますみたいな感じだったんですけど、突然少年は全然ちがうなあと。
―― 突然少年に入って上手くフィットしたんですか?
岩本 初対面なんでぎこちなさはあるんですけど。変だなみたいな感じはなかったですね。
戸田 前にやってた音楽とは全然ちがうだろうなっていうのは一緒にやってたときにもあって。ただやっぱりなんかその人柄というか、近いものを感じたんですよね。だからとりあえずぼくらのノリを知ってもらおうという感じでしたよね、最初に一緒にやったときは。スタジオに入りまくって、一緒にやっていって、ノリがわかればもっとフィットするだろうなっていうビジョンが見えてました。けっこうこうしてほしいとかこうやったらいいんじゃないかとかがあったので、斗尉は大変だったかもしれないけど。それもなんだろう斗尉だったらそんなに苦にならないだろうなっていう、こっちのドラムスタイルのほうが合うだろうなっていうことも思ったし。
岩本 とりあえずやってみようという。それだけでしたね。
―― 正式に岩本さんをメンバーにすると伝えた瞬間というのはあったんですか。今までの話だと自然の流れでこうなったような印象があるんですが。
戸田 大晦日ライブのときに「来年、とりあえず一緒にやってみたい」というのはいったと思うんですけど。終わったあとに3人で話してて、「斗尉がいいんじゃないか?」みたいな話になって。それで大晦日のライブが終わったあとに「来年の予定を全部開けられないか」って(笑)。今、やってるバンドも手伝ってるバンドも全部辞めて入ってくれって(笑)。
岩本 前にやってたバンドは解散してたんですけど、先輩と一個バンドをやってて。
―― 岩本さんはどう答えたんですか?
岩本 やっぱりそうですよね、みたいな(笑)。やっぱ全部辞めなきゃいけないですよね、みたいな。で、大晦日のライブが終わって、次の日の朝に先輩のバンドに連絡しましたね。辞めますって。
戸田 12月のスタジオでけっこういろんな人と新曲を試したんですけど、総じて意図が伝わらなくて、なかなかつくれなかったんですね。でも斗尉とだけはある程度かたちになったし、言葉の持っている意味の伝わり方とか語感の感触とかも近いなって思って。で、12月31日に「一緒にやりたい」って伝えた記憶がありますね。
―― なるべくして岩本さんになった感じなんですね。
戸田 そんな気がするんですよ、振り返ってみると。
―― この4人でやることになったんですが、新生突然少年はどうですか? 手応えはありますか?
戸田 ぼくらはあるんですけど、お客さんにどういうふうに受け入れてもらえるかなっていう不安はあります。ライブができない状態なので、そこはすごい不安ですね。
―― そうか、コロナ禍でお披露目ライブはまだやってないんですね。
大武 配信ライブのなかで正式に「ドラムが入りました」っていう発表はしたんですけど、そこからお客さん入れてのライブはまだなんで。
戸田 今はスタジオに入ることくらいしかできないから、アンサンブルとかもああしたいね、こうしたいねとかやっていくから、2週間に一回くらい音像とかも変わっていくなかで、どれが一番ベストなのか、ライブをやっていないんで本当に今はわかんないんですよね。
―― 今まではそういったものもライブで確かめていたわけですからね。
大武 それが一番大きかったですね。
戸田 お客さんとか対バンとかライブハウスの人とか、そういう人たちの反応とか意見とか表情とかでアンサンブルが完成されていくことが大きかったので。
―― リハスタのなかだけではまだ手探り感があるんですね。
戸田 そうですね。まだ不安がありますね。やっぱり一番最後に決めるのはお客さんっていうか、見てもらう人がどういうふうに見えるかなっていうのがあるから、早く見てもらいたいですね。
――突然少年らしい考え方ですね。今は週に何回くらいリハをやってるんですか?
戸田 週に3回くらい?
カニ 月に10回くらい。
戸田 月10だね。
―― 今は新曲をどんどんつくってる感じなんですか?
戸田 新曲をつくらないことにはこの4人のグルーブも完成していかないなって感じで。アルバムのレコーディングもあったりとかして、新曲づくりはやってました。今、レコーディングが終わってやっと一段落したところです。これからまた新しくどんな練習をしようかっていう段階です。
―― コロナ禍での活動は何か考えていることはあるんですか? 配信を中心にやっているバンドもありますが。
戸田 できればお客さんを入れてやりたいなっていう希望はあるんですけど、やっぱり世の中の状況次第でしか動けないので。ただいつでも人前で見せられるように準備しようっていう。今、そういう感じですね。たぶん急に今からライブできますってことになるんじゃないかなと思ってて、そのときにやれるように。今年、お客さん入れて企画イベントとかやれたらいいんですけどね。年末とかね。
―― 岩本さんが入ることで曲のつくり方とか音の出し方が変わったというところはあるんですか?
カニ そこは意識する部分はあるし、人が変わると無意識な部分も変わると思ってるんで。前に比べてこうっていうふうに断定的にはいえないんですけど、毎日会うなかで気分は変わりつつあるっていう感じですね。変わるスピードが速いような気がします。
戸田 なんかこう攻撃力が上がったような気がするんですよね。アンサンブルのなかの攻撃力というか。アグレッシブにいけるなあという印象はありますね。
カニ 今までは破壊的なカオスが意図せず出ちゃってたみたいな感じですけど、今はそれをどうやって考えて出そうかみたいな感じはあるかもしれないですね。
―― ということはよりクリエイティブな感覚でバンドに臨めてるってことですよね。
戸田 ああ、そうかも。
カニ たしかにあるかも。以前はばらばらの島にみんなが立っていて、真ん中に向かってガンガンつくるみたいな感じがあったんですけど、今は同じ陸地にいるっていう感覚ですね。
戸田 みんなで話し合ってアンサンブルもつくれるようになってきたので、バンドらしくなった気がします(笑)。本来、バンドってこういうもんだったのかなっていう(笑)。
大武 それはたしかに斗尉がバンドに入って気付かされた部分というか。
戸田 楽器の鳴り自体も演奏におけるやさしさみたいなのがすごく出るようになったように思うんですよね。
―― では岩本さんのドラムのいいところをアピールしてください。
戸田 パッションじゃないですかね。どんなドラマーよりもパッションがあるような気がする。ここまでやろうとかここまでやりきるぞっていう。あとはやっぱりフレッシュさですね。
カニ 横須賀出身なんですけど、横須賀の治安の悪さというか柄の悪さをほんの少しだけ感じることができて嬉しいです(笑)。
―― それが音に出てる(笑)。
カニ ちょっとサーファーっぽいなと思うんですよ(笑)。
岩本 そんなことないと思うけど(笑)。
―― だけどそうやって少しだけでもちがう価値観がバンドに入ってくると、やっぱり変わりますよね。
大武 あんまり意識はしてなかったですけど「斗尉を含めたこの4人でどういう歌を歌いたいのかな?」みたいなのがあって、そういう歌が生まれてくることが楽しいですね。
戸田 デモをもってきたときに斗尉が考えてきたドラムを聴くとやっぱりすんなりくるんですよね。それが最初のスタジオのときからあるんですよね。だから斗尉のドラムのビート感とか音の質みたいなものが自分の肌に合うのかなって。
―― デモを聴いた時点で、「あ、これこれ」ってなるわけですね。
戸田 そうなることが多いんですよね。不思議なんですよね。それがすごく不思議。
―― 次回作は期待できますね。
戸田 面白いと思います。けっこうしっちゃかめっちゃかなやりたいことをとにかくやりましたみたいなアルバムになったなっていう。まだまだばらばらな感じはあると思うんですよ。未完成な感じか。前のドラムのときのほうが統一感はあったと思うんですけど、今回はそこに至るまでの過程みたいなものが表せたなというふうに思います。だからけっこう気に入ってるんですよね。そういうものって狙ってできるものじゃないなと思って。ちょっとばらついている感じがけっこうぼくは気に入ってます。
―― しかもライブでお客さんに見せたわけじゃないから、どこが答えかわからないわけですからね。
戸田 その感じですね。
大武 今の時期だからこそ、それを詰め込めた感じはありますね。今を詰め込めた感じはある。この時期の空気を。
戸田 あと10年、20年を見たときに、体験できることではなさそうだなっていう感覚があるから、逆にここを大事にしたいですね。
© 2020 DONUT
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INFORMATION
「ボール」
2020年8月5日(水) 配信リリース
2020年9月3日(水) 10インチ・スリーブ特別仕様盤CD リリース
収録曲(CD):1. ボール/
2. ボール(KARAOKE)/
3. ボール(吉祥寺WARP 無観客配信 Training Tour "Live&Rewind"2020 July)
※ LIVE INFORMATION は公式サイトでご確認ください。
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