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カタヤマヒロキのコラム「食べロック2」

カタヤマヒロキ(Dudes、Lüstzöe)のコラム「食べロック2」
A級やB級といったカテゴリーを超え、食へこだわり、食べまくるロッカー、カタヤマヒロキがお送りする食のコラム「食べロック2」。ほぼ月1で「食」を投下!
●プロフィール:カタヤマヒロキ/ボーカリスト。Dudes、LüstZöe、地獄ヘルズ ボーカル担当。ラジオのDJも担当。Droogは無期限活動休止中。公式サイト:dudes-official.com/katayama

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第3回:「実録! 日本一うすっぺらいラーメン録②」

“ヤツ”とは海老名SAで出会った……。

それは、とあるツアーの帰り。
深夜の高速道路でラーメンインポのボクは突如年1やってくるかこないかのラーメン欲に支配されて悶々としていた。
最初は堪えていたのだが、

「ハア……ハア……ハア……」

徐々に彼岸島のように呼吸が荒くなってきた。
そこで勇気を振り絞りメンバーへ提案する。

「ねえねえ、もしよかったらさ? サービスエリアでラ、ラーメンでも食べない……?」

皆、ボクの発言に少し驚きながらも賛同してくれた。
そして、SAに寄るも時間は午前0時を過ぎたメリーゴーランド。(?)
フードコートにはかろうじて、うどんだけがある。

「うどんかあ……。」

普段は周囲がうっすら引くくらいの肉うどんラブ人間なのだが、その時にうどんを受け入れる器量をボクは持ち合わせていなかった。
メンバーに謝り、次のSAに寄ってもらうことに。
だが、次もやってるのはうどん屋のみ……。

「今うどん食ったら死ぬかもしれないから!」

メンバーに嘘までついて次のSAを目指してもらう。
だが、またうどんのみ。
ハイウェイは残酷にもどんどんとゴールである東京へ近づいていく……。

ボクのわがままにとうとうバンマスを降格されようとなっていたその時……。

最後に寄った海老名SA。
今までのうどんゴーストエリアとは違い、フードコートの明かりは煌々と光ってる。

すると、
「夜10時~朝5時までの夜間限定、大麺」



「これは……あの……ジロウケイってやつか……?」
迷うことなく食券機を連打する東京午前3時。(正しくは神奈川です)

・深夜に突如やってきたラーメン欲
・高速で出会うことのできなかったラーメン
・深夜高速での意外すぎる二郎系
この3つの要素は、価値の要素が揃っていた。いや、揃い過ぎていた。

漫画BECKで例えるならこのくらい価値の要素が揃っていた。
・急に出演が決まったグレイトフル・サウンド
・身の丈不相応の大きなステージ、そして豪雨
・直前のメンバー失踪





そして食べた。
その時の様子はコユキが歌ってる時のように、周りが真っ白くなり、音が消えていた。(?)

そして我々はいつもより少しだけ胸を張って車に乗り込み東京へと帰った。
全員無言だった。
そして、星が輝いていた。
ラーメンの味がどうだったかなんて、もはやどうでも良かった。
というか、ラーメンすら、もうどうでも良かった。
俺たちは踊った。
グレイトフル・サウンドで歌った。
それだけで充分だったのだ……。

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口に入れた瞬間BGM
ZIGGY「午前0時のMERRY-GO-ROUND」
(1992年6月アルバム『YELLOW POP』収録/7月シングルリリース)
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