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中野ミホのコラム「まほうの映画館2」

中野ミホ(Drop's)のコラム「まほうの映画館2」
中野ミホが最新作から過去の名作まで映画を紹介します。
●プロフィール:中野ミホ/2009年に北海道・札幌で結成されたDrop’sのvo&gt。Favorite→映画、喫茶店、Tom Waits、Chet Baker。
公式サイト:http://drops-official.com
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第5回「雨の街はいつもより、悩ましくロマンチック! レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

2020.07.11 upload

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』 (2019年/アメリカ)
原題:『A Rainy Day in New York』
監督・脚本:ウディ・アレン
キャスト:エル・ファニング、ティモシー・シャラメ、ケリー・ローバッハ、ジュード・ロウほか
公式サイト:https://longride.jp/rdiny/
—————

みなさんこんにちはー。
七月……えっもう七月ですか!? うぅ、早い。
暑い日も増えてきて夏っぽくなってはきたけれど、まだまだ完全に自由には活動できないこの感じ、なかなかしんどいですね。でも少しでも、楽しみを見つけていきたいなぁ。

さて、今月はそんなあなたに(ていうか私に)ぴったりな作品にまた出会えましたー嬉しい。
絶対間違いないだろうと思いましたが、やっぱり良かったー!
こちらをご紹介したいと思います。

『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(『A Rainy Day in New York』)。
2019年、アメリカの作品。
監督はウディ・アレン、出演はティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメスなど。
まずウディ・アレン監督で、このメンツで、タイトルが『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』って。
これだけで観る前から、絶対良いに決まってる!と思ってましたが、笑
前のめりに映画館へ! やほーい!

NY・マンハッタンで育つが、今は郊外の小さな大学に通うギャツビー(ティモシー・シャラメ)は、裕福な家庭や教育熱心な母親に反抗して怠惰な生活を送る大学生。
あるとき、ガールフレンドのアシュレー(エル・ファニング)が大学新聞の取材で、有名な映画監督ポラード(リーヴ・シュレイバー)へインタビューをすることになり、二人は共にマンハッタンへ。
ギャツビーは彼女に街を案内し素敵な週末を過ごそうと計画しますが、彼女は映画人たちと意気投合し事態は思いもよらぬ方向へ。
約束をすっぽかされたギャツビーは雨の街をうろうろ。
昔のガールフレンドの妹であるチャン(セレーナ・ゴメス)も現れ、二人の週末はどうなってしまうのか……!
というお話。

いやー、これはうっとり。
もう、うっとりでした。

ウディ・アレン監督の作品は今までも何作も観てきたけれど、どんな気分の時にどこで観ても、クスッと笑えて、ロマンチックで幸せな気持ちにさせてくれるのですが今作も最高に素敵でした。
もう予想以上で、映画館で観て本当に良かったなー、あぁー、となりました。

まずねぇ女性であれば(たぶん男性でも)ヒャー!となるこのティモシー・シャラメの美しさよ! 涙
最初から、字幕をちゃんと読みつつシャラメ氏をしっかり見たいので必死です。笑
彼女と楽しい時間を過ごすはずが、雨に打たれてひとりNYの街をさまようギャツビー。
困った表情、髪のウェーブぐあい、渋い茶色のジャケットも、白いスニーカーも、いい!! いいんです!!(前のめり)
そしてどこかウディ・アレン本人を思わせるような早口で困り顔で喋り続けるのもなんか新鮮!
とにかくNYが似合っていたなぁ。本人もマンハッタン出身なのだそうで、納得。

そしてエル・ファニングも最高にかわいい!!
憧れの街で有名監督や脚本家、俳優と次々に夢のような時間を過ごして舞い上がってしまってるのがすごくキュートで、勝手に「わかる〜! どうすんの〜きゃ〜!」ってなります。笑

セレーナ・ゴメスも魅力的だったなぁ。
愛らしい顔立ちに似合わずハスキーボイスで、思ったことなんでも言っちゃうような少し気の強い女の子。
でもギャツビーのことが実はちょっと気になってる!? のもかわいいんだなぁ。
えんじ色のレインコートとても似合ってた!

やっぱり、会話が途切れなく続いて、息つく暇もなくストーリーが進んで、どうなっちゃうの!?っていうかわいいドキドキがウディ・アレン節!って感じでした。
彼の作品は常に古き良き部分と、新しい部分とがあって本当に楽しいな。大好きです。
ギャツビーとチャンが雨の待ち合わせのイメージとか、雨の中のキスについて話すの、すごく良かったなぁ。
なんといっても、ギャツビーがピアノを弾いて歌うシーンが、たまらなく良かった……!
カッコつけてて、ナイーブで、そんな彼の優しい歌声にキュンときてしまったよー。うふふ。

そしてタイトルにもなっている雨のニューヨーク。
すがすがしいほどに雨が降ってて、とてもきれい。
わたしは去年の冬に初めての海外旅行で一度だけNYに行ったのですが、その時は最後の日が土砂降りの雨でした。
雨のNYも本当に美しかったのを思い出したなぁ。色気が増すというか。
お家、ホテル、公園、美術館、どこも昔からある立派な建物がずっと使われていて、みんなにとても愛されていてそれが生活に溶け込んでいて。
映画の中みたいな街が本当にそこにあって、全てに感動したのを覚えています。
同時にとてもエネルギッシュ! 歩く人みんな映画の登場人物みたいにいきいきして輝いて見えた……。
だからわたしにとってNYは特別に思えるのです。大好きな街!
また絶対に行きたいなぁ。

ウディ・アレン監督の描くNYはまさにわたしの憧れの「うっとり」が詰まっていました。
ずっと観ていたいし、正直、現実戻りたくないッス……って思ってしまうほど。笑
ラストシーン、今までディズニーのプリンセス映画とかを観て流した種類の、素敵すぎて出る涙が出ました……。
ロマンチックは本当に心をうるおしてくれるなぁ。やっぱり恋って最強ですね。

日常生活を普通に送っていると、どちらかといえば「どんより」「しょんぼり」みたいなことが多いですが(特に今年はみんなあるよね)、こうやって「うっとり」を積極的に摂取していくことが、わたしにとってはものすごく大切だなぁと感じました。
好きなものに囲まれる、浸るうれしさ。
観た後もしばらくふわふわした気持ちでした。

ウディ・アレン監督は現在84歳(!)なのですが、こんなにもたくさんのうっとりを分けてくれて本当に魔法使いみたい! 映画の魔法使いだなぁ。ありがとう……。
そしてまだまだこんな気持ちにさせてほしいです。

わたしが暮らすのは東京だけど、自分の街ももっと素敵に感じられるように、日々エネルギッシュに、いきいきと過ごしたいな!
なんて思ったのでした。
何はともあれ、大好きな映画のある人生はすばらしい!

ではまたね、季節の変わり目、体調には気をつけてー。

© 2020 DONUT


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