DONUT VOL.9

特集:カセットテープ・イズ・ノット・デッド
(表紙:峯田和伸<銀杏BOYZ>)

今号のカバーストーリー

DONUTは、SHAKE(辰巳出版・刊)の経験を活かし、1冊まるごとひとつのテーマを探求するムックとして蘇りました。その第1弾が「カセットテープ・イズ・ノット・デッド」。世界的なカセットテープ復活ブームを追いかけようと作りはじめたのですが、取材を進めていくうちに、この現象は、ノスタルジーとか再評価とか、そういうレベルを飛び越えたところで成立しているのだということを知りました。一体カセットテープの復活とは何を意味するのか? それを読者の皆さんと一緒に探っていきたいと思います。表紙と特集記事は峯田和伸さんです。この表紙の写真は中目黒に出現したカセットテープ専門店「waltz」の店内で撮影させていただきました。とてもお洒落なショップで、中古レコード店のイメージを一新した斬新さに溢れています。峯田さんが手にしているのはwaltzで販売している中古のラジカセです。写真は新保勇樹さん。新保さんはカセットテープの特集と聞いて、アナログ撮影を敢行。フィルム式のインスタントカメラを使用して、撮影しました。今回の特集にぴったりの写真が仕上がりました。誌面にはたくさんの「峯田さんコレクション」も登場します。何度もページをめくって楽しんでください。

今号にもいろんな音楽の物語が詰まっています

まず今号の物語は、実際に新作をカセットテープでリリースしたミュージシャンへのインタビューから入ります。なぜ彼らはカセットテープをリリースしようとしたのか。そこから今号の物語はスタートします。インタビューに応えたのは曽我部恵一さんと、ましまろのみなさん。そこにはそれぞれのカセットテープの捉え方や動機がありました。曽我部さんは若いリスナーのリスニング・スタイルについても言及しています。かなり面白いテキストになっています。次にDONUTは大手ミュージック・ストアを訪れました。タワーレコードとHMVのカセットテープ売り場はどうやって誕生したのか? どんなお客さんが来ているのか? それぞれ売り場の責任者の方にインタビューしました。そしてこの章の最後に、新作のカセットテープから見えてくる、カセットテープ復活の真実に迫りました。そして物語は一気にクライマックスに突入。第2章では、峯田和伸さんが登場します。インスタグラムにカセットテープをアップすることにより、リスナーにカセットテープの存在を知らしめた峯田さんがカセットテープに対する愛情を語り、自慢のコレクション(40選)を紹介します。圧巻のテキストと写真でお楽しみください。取材後、中目黒waltzに移動。峯田さんがwaltzオーナーの角田太郎さんと対談します。この対談でいよいよ「カセットテープ・イズ・ノット・デッド」が明らかになります。第3章ではミュージシャンとカセットテープの物語をお届けします。テーマは、たかがカセットテープ、されどカセットテープ。最初に登場するのは新世代ロックンロール・バンドのひとつTHE BOYS&GIRLSのワタナベシンゴさんです。「人生を変えたカセットテープ」について語ってくれます。浅井健一さんは所有しているカセットデッキ2台と共に写真を撮らせてもらいました。甲本ヒロトさんは自分を形成する音楽のほぼすべてを集めたテープのインデックスを公開。題して「このテープを聴けば甲本ヒロトってこういうことかっていうのがよくわかる」。最後に24人のアーティストがカセットテープのインデックスを作ってくれました。DONUT名物Mr.PANさんの連載、編集部のコラムもすべてカセットテープの話題で埋めました。小さな可愛いガジェットの壮大な物語を堪能してください。

DONUT VOL9 CONTENTS

特集:カセットテープ・イズ・ノット・デッド 表紙=峯田和伸(銀杏BOYZ)
2016年12月9日(金)リリース/A4/80p/1,000円+税

峯田和伸が語るカセットテープ愛とは?/峯田和伸が選ぶマイ・フェイバリット・カセット・コレクション(40選)/カセットテープ専門店・中目黒waltz角田太郎x峯田和伸 対談/ましまろ、曽我部恵一が語る「新作をカセットテープでリリースする理由」/甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)「このテープを聴けば甲本ヒロトってこういうことかってよくわかる」/浅井健一「カセットデッキがある風景」/ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS)「人生を変えたカセットテープ」/24人のアーティストが作ったミックステープ:浅井健一/伊藤陵太郎(Crampton)/イノクチタカヒロ(hotspring)/歌王子あび(ベランパレード)/カタヤマヒロキ(Droog)/甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)/George(MOP of HEAD)/曽我部恵一(サニーデイ・サービス)/タカイリョウ(the twenties)/高田風(Walkings)/タカハシヒョウリ(オワリカラ)/但野正和(最終少女ひかさ)/中野ミホ(Drop's)/ビートりょう(THE BOHEMIANS)/平田ぱんだ(THE BOHEMIANS)/古市コータロー(ザ・コレクターズ)/逸見亮太(myeahns)/ホリエアツシ(ストレイテナー)/Mr.PAN(THE NEATBEATS)/峯田和伸(銀杏BOYZ)/百々和宏(MO'SOME TONEBENDER)/山﨑彩音/りょーめー(爆弾ジョニー)/ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS)/Mr.PAN(THE NEATBEATS)「BACK TO THE “mono”」ほか


DONUT VOL.9をつくった人たち

タイトルデザイン=三浦巌 写真=新保勇樹、石井麻木、三浦咲恵 アートディレクション&デザイン=山﨑将弘 編集長=秋元美乃 編集=DONUT(秋元美乃/森内淳) 編集補=芳山香 発行人=森内淳 発行所=スタジオ・エム・オー・ジー 印刷・製本=大日本印刷