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DONUT TOPICS from DONUT FREE vol.9

Interview

CHAIが新作『PINK』をリリース
メンバー全員にインタビュー

CHAIは名古屋出身のバンドで10月25日に1stフルアルバム『PINK』をリリースする。メンバーは、マナ(vo&key)とカナ(gt&vo)の双子、そして強靭なグルーヴを生み出すリズム隊、ユウキ(ba&cho)、ユナ(dr&cho)の4人編成。「コンプレックスをアートに変換する」というコンセプトに興味をもって軽い気持ちでライブに行ったのだが、強力なサウンドに5分もたたない内にノックアウト。今度はその計算されたバンド・サウンドの謎を解明しようと、鼻息荒く取材に臨んだが、ここでもあっけなく返り討ちにあった。CHAIとは何者なのか。


CHAIでやる音楽のジャンルは1個に絞れないし、
こだわりもない ―マナ

――バンド結成は2013年というふうにお聞きしていますが。

カナ ふわっとやり始めたのが2013年くらいかな。

ユウキ 本気でやろうと思ったのは2015年くらい。仕事にしたいと思ったのは。

マナ 音楽しかなかったんだよね、やりたいことが。

カナ 音楽で発信できるなって思った瞬間が2015年にあったのかな。その時に「コンプレックスはアートなり」とか「コンプレックスを武器にしてオンナバンドでやって行こう」っていうテーマを決めて。

マナ 小っちゃい頃から可愛いって言われてこなかったからね。クラスで10人可愛い子をあげろって言ったら、その中に絶対に入らなかったメンバーやから。だもんで、余計に可愛いって言われたい欲が誰よりも強い。そこから毎日鏡に向かって自分が嫌だと思うところを可愛いって言い続けて。そしたら、可愛いく思えてくるんだよね、勝手に。「あ、これってすげえ!」と思って。これを音楽で伝えたいと思った。

――それはCHAIを語る上で避けては通れないテーマで、ライブを見に行った時にも、最初はそこに注目しようとしたんですけど、結局はサウンドに魅了されてしまいました。

全員 おー、ありがとう!

――テーマはサウンドに誘うための呼び水というかフックのような気がしてならなかったんですよ。

マナ あ、本当!?

カナ 嬉しい。

ユウキ だけどベースに触ったこともなかった。「バンドやる?」って言われて、「やりたい。面白そう」って、ついて行ったら、ベースになってて。やったら、楽しかった。

――そうなんですか!? 例えば、その時は確固たる音楽の方向性はあったんですか?

マナ 全然ない。

カナ その時その時で好きな音楽が全然違う。1年単位ぐらいで。だから1年後には全然違う音楽ができるかも。

ユナ ジャンルも1個に絞れなくて。いっぱい好きだから、「ロックでやって行こうぜ!」みたいなのができない。ダンスミュージックもヒップホップもみんな好きだから。

マナ 絞れないし、こだわりもない。

――だけどアルバムはまとまっていますよね。

ユナ メンバーの誰かに「これ、今、好きなんだよ」って聴かせてもらったら、みんなが「それ、凄くいいね」ってなる。

――曲はどうやってかたちにするんですか?

カナ マナがメロディを作るから、そのメロディに合わせて、こういう方向性にしようって決めて、リハに入った時に、みんなでアレンジして。

マナ 4小節ぐらいしかないメロディを持って行って「こういう感じがいい」ってドラムを叩いてもらう。元々アレンジの方向性がある曲もあるけど、それは少ないかな。その時の「こういう感じが好き」っていうのをみんなが共有していく感じだね。第一、私はコードもわからないから。

カナ コード感を(意識的に)抜いてるところもあるんだけど。だから、全部、ベースラインから作ってる。

――CHAIのグルーヴはそこから来ているんですね。あと、一見ふざけたように見えるパフォーマンスも一切手を抜かないで上質なエンタテインメントに仕上げていますよね。そこは何かこだわりはありますか。

ユウキ スポーツっぽい感じだよね。

カナ アスリートみたいな感じで楽器をやってる。4人のアンサンブルも真剣にやってる。

ユウキ ストイックにやってる。

ユナ そう、ストイック。男には負けたくないから。

全員 負けたくない!

ユウキ だもんで「ガールズバンド」じゃなくて「オンナバンド」って言ってる。

――レコーディングはどんな感じで進むんですか?

マナ 1日に3曲録る。すぐ終わっちゃう。何回もやっても意味ないんだよね、結局。

ユウキ 1発録りに近い。

――ロックンロールバンドみたいですね(笑)。

カナ ロックかもしれん。グルーヴがよければ、すべてよし。

――その考え方はCHAIのサウンドを表してますね。

マナ 意外と1発目が1番よかったりするし、それに完璧じゃない方がいいよね。

――今後はどうサウンドを持って行こうと思っていますか?

マナ そこも行き当たりばったり。その時に、好きなものをやる。

ユナ インプットさえすれば、アウトプットできる。

マナ うん、できる。絶対、できる。

(取材・文:秋元美乃/森内淳)

>>この記事はDONUT編集部が編集しているフリーペーパーDONUT FREEからの転載です。配布場所はこちらをご覧ください。DONUT FREE



CHAI:マナ (Vo.&Key.)カナ (Vo.&Gt.)ユウキ (Ba.&Cho.)ユナ (Dr.&Cho.)ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド』それがCHAI。2016年、ノンプロモーションでSpotify UKチャートTOP50に代表曲「ぎゃらんぶー」が突如ランクイン (※最高位36位)。2017年SXSW出演と初の全米8都市ツアー。4月26日2nd EP「ほめごろシリーズ」をリリース。10月25日1st Album『PINK』リリース。公式サイト:http://chai-band.com

CHAI 1stAL『PINK』

1. ハイハイあかちゃん 2. N.E.O. 3. ボーイズ・セコ・メン 4. ほれちゃった 5. あのコはキティ 6. ぎゃらんぶー 7. フライド 8. かわいいひと 9. ウォーキング・スター 10. sayonara complex 11. フラットガール
(2017年10月25日リリース)

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